Gaudryceras属の見分け方

Gaudryceras属は北海道で特に多産するアンモナイトである. 今回はGaudryceras属の中でも特に多産するアンモナイト, G. mite, G. tenuiliratum, G. denseplicatum. G. intermedium. G. striatumの相違点を述べる. 成年殻での違いが明らかな場合は未熟期での見分け方を記載する. この記事はMatsumoto,1995(ネットに落ちてます)を参考にした.

G. miteとG. denseplicatumの違い
G. miteの成長後期は確かにG. denseplicatumの最終隔壁のあたりに似ている. G. miteはinvoluteで螺管拡大率が高く屈曲のあるliraeに覆われる. 一方G. denseplicatumは明確により強く幅広い肋が住房に出ている. さらに未熟期では, G. miteはもっとevoluteでヘソが広い.

G. tenuiliratumとG. miteの違い
若い段階では形状が良く似ているが, G. miteはG. tenuiliratumのようにventerで非常に細かい条線を示さない.

G. tenuiliratumとG. striatumの違い
形状・装飾は非常によく似ているが, G. striatumは気質部・住房部ともに条線がG. tenuiliratumよりもっと細かく数多い事で区別できる.

G. denseplicatumとG. intermediumの違い
G. intermediumでは 住房にあるような一定間隔の細い主肋がかなり早い時期から出始める(直径25mmくらいという例も)一方, G. denseplicatumでは微弱であったり不規則に発達したりする.

またこれらのアンモナイトを区別するのには時代も大事である.

・G. denseplicatum→チューロニアン~コニアシアンで多産, カンパニアンまで存在

・G. mite→ チューロニアン~カンパニアンのレンジで存在?

・G. intermedium→サントニアン~カンパニアンで多産, コニアシアンでも...?

・G. tenuiliratum→コニアシアン~サントニアンで多産, 下部カンパニアンでも産出

・G. striatum→カンパニアンから多産