ペロニセラス亜科の属の見分け方
テキサナイテス亜科との明瞭な区別は確立されておらず、どっちつかずの属がなお余っている。
(注。。。ワールとは螺管のことです。故松本先生が、「螺という字が常用漢字ではないこと、螺管と螺環が混用されていることから、whorlをそのままワールと言うのはどうかと提唱しています)
松本氏による分類
Peroniceras
三本キール、二列の突起、複雑な縫合線
Gauthiericeras
Peronicears程evoluteではなく、弱く波打つ一本のキール、キールの両側に溝、肩の突起がPeronicerasより強い、比較的単純な縫合線
van Hoepen氏による分類
(今ではPeronicerasの亜属とされているもの)
Zuluiceras
Peroniceras(s.s.)よりヘソが狭く、成長前期でワールが多少四角形に近いが成長と共にPeroniceras(s.s.)よりワールが高くなりワールが丸みを帯びる。
Zuluites
Zuluicerasよりワールが高く、楕円状。肋などの装飾は断端弱くなり、最終的に消滅する。
(その他未分類属)
Andersonite
三本キール、広いへそ、多少四角形なワール、強く直線的な肋で肋上に2列の突起。肩の突起はとても強く、へその突起は弱い。
Fluminites
三本キール、広いへそ、ワールは最初高い。肋は強く、わずかにconcaveする。成長初期~中期では肋間は狭いが、だんだん離れていく。
Hluhluweoceras
キールは一本で、波打つ。venter(腹側)はなめらかで装飾が弱い。ワールは四角形っぽい。縫合線で区別される。
Falsebayites
venterは丸みを帯びる。venterの真ん中には幅広い高まりがあり、キールっぽい。肋は太く低く、venterで前方に屈曲する。
Fraudatoroceras
三本キール。ヘソ広い。四角形っぽいワール。全体的に大きい。肩の突起はclavate(横長の突起)で、へその突起は長く弱いためflankの真ん中にまで及ぶ。
所属亜科不明属
Cobbanoceras
三本キール、二列の突起はペロニセラスに酷似するが、縫合線が単純で産出レンジがサントニアン(Peronicerasはコニアシアン)。
Sornayceras
明瞭なキールは一本でキールの両側に溝がある。その両側のキールは非常に不明瞭。Gauthiericerasに近いが、縫合線は複雑。
Ishikariceras
ワールは成長初期では四角形だが、だんだん準楕円形になる。一本キールでその両側に溝はない。縫合線は単純。