サントニアン



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Protexanites bontanti shimizui
プロテキサナイテス ボンタンティ シミズイ
Collignoniceratidae科
頂きものの標本。へその突起が強いのが特徴で、合計3列の突起を持つ。フランスのProtexanites bontantiに似るが、キールの波うちや挿入肋の本数などから亜種P. bontanti shimizuiとされる。ちなみにP. bontanti(s.s.)はコニアシアンだがP. bontanti shimizuiはサントニアンである。

Hyphantoceras venustum
ハイファントセラス ヴェヌスタム
Nostoceratidae科
サントニアンの異常巻。そこまで個体数は多くないらしいが、断片なら比較的見つかる方だと個人的に思っている。全体像があまり知られていない異常巻アンモナイトの一つ。

Hyphantoceras orientale
ハイファントセラス・オリエンターレ
Nostoceratidae科
北海道ではサントニアンから多産する。ドリル状に巻き、側面に4列の突起を持つ。


Tetragonites popetensis
テトラゴニテス ポペテンシス
Tetragonitidae科
主にサントニアン~カンパニアンで産出する。
北海道で良く見つかるTetragonites glabrusよりもへそが広い。


Hypophylloceras subramosum
ハイポフィロセラス サブラモーサム
Phylloceratidae科
北海道では多産種。薄い螺管とへその落ち込み方、細肋が特徴。


Yokoyamaoceras ishikawai
ヨコヤマオセラス イシカワイ
Kossmaticeratidae科
近年、もともとヨコヤマオセラスと呼ばれてきた、サイズの小さく後期に二列の突起を持つ種と、ネオプゾシアと呼ばれてきた、サイズの大きく突起の無い種が、単なる雌雄の違いであり実は同種であることが報告された。
この標本は前者、突起のあるミクロコンクである。


Polyptychoceras yubarense
ポリプチコセラス ユーバレンセ
Diplomoceratidae科
もともとはサブプチコセラス属であったが、ポリプチコセラス属に入れられた。


Hyphantoceras venustum
ハイファントセラス ヴェヌスタム
Nostoceratidae科
初めてのアンモナイト巡検で採取したアンモナイト。断片では非常によく産出されるが、完全な標本は非常に少ない。この標本も断片である。背面に突起列を持つ。


Zelandites kawanoi  
ゼランディテス カワノイ

多種多様なアンモナイトが謳歌するこのサントニアンでひっそりと暮らす隠れキャラ的存在。研究テーマでもあるため、並々ならぬ情熱を注がれている。 すり鉢状のへそ、周期的に現れるクビレ、そして薄い螺環が特徴的。日本で出るサントニアンのゼランディテス はこの一種だけのため、非常に区別しやすい。なお、ニュージーランドのサントニアン〜マストリチヒアンからは ゼランディテス カイパラエンシスという種類が産出する。(三笠)


Haboroceras haboroense  
ハボロセラス ハボロエンセ

明瞭なキールとヘソの周りの周期的な突起があり、ヘソは狭い。小型の種類。 自分のブログのアイコンにも使われている、思い入れの強い標本。化石を初めて間もない頃に、有名ブロガーの庭から採集して驚かせたのが懐かしい。 町の名前のついたアンモナイトをその町の石から採集するのは感慨深い。(羽幌)


Hyphantoceras venustum
ハイファントセラス ヴェヌスタム
Nostoceratidae科
このアンモナイトの全貌は明らかになっておらず、産出も稀である。搭状に巻くと思われる。ヘラ状の突起が特徴的で、肋を伴う。 この標本は、化石を初めて間もない頃、現地で師匠から頂いたものである。この種類にして大型の標本であるため、自慢のアンモナイトだ。


Gaudryceras aff. kayei
ゴードリセラス aff. カエイ
Gaudryceratidae科
松本先生の論文を元に同定した。ヘソが他のサントニアンのゴードリセラスよりも広く、明瞭な細肋を伴う。 詳しくは Matsumoto 1995 Notes on Gaudryceratid Ammonites from Hokkaido and Sakhalin をご参照ください。


Kossmaticeras sp.
コスマチセラス sp.
Kossmaticeratidae科
二股に分岐する肋と周期的なクビレからコスマチセラスと判断される。しかし幼体であるため、小種名まではわからない。 普通種であるヨコヤマオセラスの中にも、時々こういう種類が混ざるため、見逃したくない。(三笠)


Eupachydiscus haradai
ユーパキディスカス ハラダイ
Pachydiscidae科
分厚くて長肋はヘソの肩付近で突起となる。大型の種。道北の光沢のある最高な保存状態のものは通称「ビニパキ」と呼ばれ、憧れの的。逆にヘソが保存されていない残念な個体は通称「タイヤ」と呼ばれる。(中川)


Hauericeras angustum
ハウエリセラス アングスタム
Desmoceratidae科
デスモセラス科に属するが、ヘソは広く、キールがあり、かなり薄い。アングスタム以外の種類は北海道ではほとんど知られていない。その薄さから通称「CD」と呼ばれ、親しまれている。(夕張)


Parasolenoceras soyaense
パラソレノセラス ソーヤエンセ
Diplomoceratidae科
U字状に巻く異常巻きアンモナイトだが、その全貌は明らかになっていない。明瞭な肋に加え2列の突起を持ち、断面は長方形〜楕円形。(小平)


Menuites sutneri
メヌイテス スツネリ
Pachydiscidae科
旧アナパキディスカス スツネリ。メヌイテスの中でも間隔の狭い肋が並び、ヘソの周りのの突起がそれほど発達しない。この標本は羽幌の虹色のアンモナイトが採集される産地のノジュールからである。長く森伸一さんの「北海道羽幌地域のアンモナイト」を読んで憧れた産地だ。(羽幌)


Damesites semicostatus
ダメシテス セミコスタータス
Desmoceratidae科
ダメシテスの中でも、S字状の肋が殻の表面を覆い、その肋はキールに向かって収束する。密集して産出することもある。この標本はロストラムまで保存されている。(小平)


Damesites semicostatus
ダメシテス セミコスタータス
Desmoceratidae科
このように比較的大きく成長する種類だ。S字の肋が触り心地が良い。ダメシテス ダメシとシノニムではないかという議論がある。(古丹別)


Tetragonites popetensis
テトラゴニテス ポペテンシス
Tetragonitidae科
主にサントニアンから産出する、テトラゴニテスの多産種グラブルスよりもヘソが広い種類。アナゴードリセラス ヨコヤマイと混同しやすい。(三笠)


Tetragonites glabrus
テトラゴニテス グラブルス
Tetragonitidae科
北海道でもっとも出会いやすいアンモナイトの一つとも言える種類。ヘソが深くて比較的狭く、ヘソの壁はほぼ垂直に落ちる。小さな個体はクリーニングが面倒。殻の表面の細肋がゼランディテス と似ているため、よく悩まされてきた。(小平)


Menuites japonicus
メヌイテス ジャポニクス
Pachydiscidae科
分厚い螺環と、4列の棘状の突起を持つ。周期的なクビレもある。小型の個体だが、メヌイテス プシルスには明瞭な強い肋が伴うため、ジャポニクスと判断した。突起があるため人気が高い。(中川)


Damesites sugata(?)
ダメシテス スガタ(?)
Desmoceratidae科
ホロタイプはインド産の標本であり、北海道で出ると言われるこのタイプのダメシテスが本当にスガタなのかは議論が続いている。ダメシテス ダメシ との相違点は、スガタはC字のクビレがあること、ヘソがやや広めであること。多産種と言われるが、意外と判断は難しく、なかなか自信を持ってスガタと言える標本がなかなか無くて家を探し回った。これをようやく見つけた時、思わずガッツポーズをしてしまったのは秘密...。(三笠)


Yokoyamaoceras ishikawai
ヨコヤマオセラス イシカワイ
Kossmaticeratidae科
旧 ネオプゾシア イシカワイ タイプだ。1周あたり5〜6周期的なクビレを持つ。同定が楽になったとはいえ、4種が統合されるとなると、どこか寂しさがある。(羽幌)


Yokoyamaoceras ishikawai (旧Y. jimboi)
ヨコヤマオセラス イシカワイ(旧ヨコヤマオセラス ジンボイ)
Kossmaticeratidae科
旧 ネオプゾシア イシカワイ タイプだ。1周あたり5〜6周期的なクビレを持つ。同定が楽になったとはいえ、4種が統合されるとなると、どこか寂しさがある。(羽幌)


Damesites damesi
ダメシテス ダメシ
Desmoceratidae科
ダメシテス スガタとの相違点は、ダメシの方はS字状の肋とクビレを持ち、ヘソが狭いという点である。手元に標本では圧倒的にこのダメシが多く、一般に言われるほどスガタは産出しないというイメージを持った。(古丹別)


Hypophylloceras subramosum
ハイポフィロセラス サブラモーサム
Phylloceratidae科
密巻きでヘソは極端に狭い。ゆるいS字状の肋が多数並ぶ。このアンモナイトを半分に擦った時、アンモナイトらしくグルグル巻いているということがわかって感動したのを覚えている。見た目が密巻きだからと言って、中巻きが存在しないわけではないのだ。(浦河)


Polyptychoceras haradanum
ポリプチコセラス ハラダナム
Diplomoceratidae科
気房部には周期的な主肋が出る。1ターン目の終わりまでは肋は斜めで、2ターン目から肋は成長方向に対して垂直になる。小さなパーツと大きなパーツが同一個体のものであるかは不明。クリップ状に巻く、コニアシアン〜カンパニアン で多産する属だ。(夕張)


Polyptychoceras yubarense
ポリプチコセラス ユーバレンセ
Diplomoceratidae科
旧 サブプチコセラス。住房の感覚の空いたヘラ状の肋が特徴的。


Polyptychoceras sp.
ポリプチコセラス sp.
Diplomoceratidae科
ポリプチコセラスは研究が進んでいない上、一世紀以上前に破片で記載されたものが多いため、分類が混沌としている。多産する種類でも未記載種があるため、今後の研究に期待したい。


Polyptychoceras sp.
ポリプチコセラス sp.
Diplomoceratidae科
ポリプチコセラス ジンボイ にも類似するが、住房の破片のため、同定は厳しい。多産する割には完全体を採集するのが困難である。


Hyphantoceras oshimai
ハイファントセラス オオシマイ
Nostoceratidae科
オリエンターレほど巻きが緩くなく、多数の肋がある。4列の突起がある。どれも破片だが同じノジュールに似たような個体がいくつか入っていた。


Gaudryceras tenuiliratum
ゴードリセラス テヌイリラータム
Gaudryceratidae科
北海道で最も多産するアンモナイトの一つ。ヘソが広く、細肋は穏やか。住房には周期的な主肋が発達する。一般の方がイメージするいわゆるアンモナイトはこの種類のようなものが多いだろう。


Schlueterella
シュルエテラ sp.
Diplomoceratidae科
異常巻きで全貌は明らかではない。肋の上に、4列の長めの突起が並ぶ。稚内などからは、シュルエテラの何十センチもあるような個体が見つかっており、並外れたポテンシャルを持っているアンモナイトと言える。


Tetragonites glabrus
テトラゴニテス グラブルス
Tetragonitidae科
北海道から多産するアンモナイトの一種。ラッパ状に広がる住房が典型的。最も大きな特徴は、ヘソの壁がほぼ垂直に落ち込むこと。この性質ゆえ、テトラ(=四角形)ゴニテスという学名になった。


Hyphantoceras cf. transitorium
ハイファントセラス cf. トランジトリウム
Nostoceratidae科
近年ようやくこの確実にHyphantoceras transitoriumである標本が記載されたが、それまでは謎のアンモナイトであった。Hyphantoceras orientaleの祖先種にあたり、比較的多産している可能性もあるが、知らないうちに持っている可能性のある種。確実に同定される種は少ない。


Damesites damesi
ダメシテス ダメシ
Desmoceratidae科
(日高産)Damesites属には未だ議論の余地が多く残されているが、主に肋がS型とC型に分けられるという。そのうち、S型の代表種がD. damesiである。近年D. semicostatusとのシノニムの可能性が報告された。

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